●今後の販売店さんとの関わりについて (Regarding the relationship with dealers in the future)

今後の販売店さんとの関わりについて 前回の記事では『会費制のファンクラブ』の運営を検討中であることをお伝えしました。 それによって今後、今までお世話になった各国の販売店さんとの関係はどうなるのか、についての考えをお伝えします。 特に数量の限られたものは会員さんに直接販売させて頂くので、販売店さんは経由しないことになってしまいます。 ただ、直接販売をしないこれまでの状況においても、販売店さんに多大なご迷惑をお掛けしていたとも感じています。 数量が限られた包丁については販売店さんのECサイトで、販売開始直後に売り切れることがよくあったそうです。 そのため、お客さん同士の取り合いになり、中には販売開始のタイミングを狙ってBOT(コンピューターがクリックボタンを連打する仕組み)を使う方も出てきて、一般の方が購入しようとしても全く太刀打ちできないということが起きていたそうです。 また、そのような状況では販売管理システムが追い付かずに、『準備した在庫を上回る数量を販売してしまう』ということも起きました。 (数量が限られているため、その分の追加供給の見込みが立たないということもあります) また、このような包丁は出荷計画を立てにくいことから、販売店さんはお客さんから寄せられる問合せに対し、『次回の販売日は未定です』という答えを延々とし続けることになってしまい、それによってフラストレーションが溜まるという状況もあるようです。 販売店さんにとっては、販売数が少ないためそれによって得られる利益金額は少ないにも関わらず、それには全く釣り合わないこのような不利益を被り続けていたということになります。 もちろん、生産数がある程度確保できるものについては、引き続き販売店さんに供給させて頂きます。 上記のように数量が少ないものについても生産効率を上げ、販売店さんに供給できるように努力を続けます。 加えて、自社で賄える製造工程を少しずつ増やし、生産数をコントロールしやすい新商品を立ち上げて、それらも販売店さんに供給できるようにしていきます。   Regarding the relationship with dealers in the future In the previous post, we mentioned that we’re considering running a fan club with membership fees. As … Read More

自分らしく活躍できる職場の実現 #2 06/06/2024

自分らしく活躍できる職場の実現 #2 06/06/2024 去年、『積極的に、従業員のワークライフバランスの実現や女性も活躍できる職場環境づくり』に取り組む企業として、堺市に認定頂きました。 今回、弊社の働き方改革の事業内容や、実際に女性従業員が発案したり、製作を行った商品を堺市産業振興センターにて展示していただいております。 We were able to receive recognition from Sakai City Hall as “A company that actively strives to achieve a work-life balance for its employees and create a workplace environment where women can play an active … Read More

●今後のお客さまとの向き合い方について (Regarding how to deal with customers in the future)

今後のお客さまとの向き合い方について 前回の幸之祐インスタグラムでの投稿に関連し、『弊社の包丁を転売目的ではなく、本当に所有したい方にお届けするにはどうすればよいのか』、また『今後弊社は、どのように世界中のお客さんと向き合っていくべきか』について、考えています。 これらの課題を解決するため他社さんの事例を学んだり、色んな方々に相談した結果、『ファンクラブ(会員サイト)の運営』という答えに行き着きました。 今、検討している運営方式は以下の通りです。 会員さんには人気のある製品を優先的に購入して頂けるようにしたり、特に希少性の高いものや限定品については、『会員さんへの限定販売』という特典も検討しています。 それだけでなく、チームの各メンバーがそれぞれに取り組んでいる新製品の開発状況など、一般には公表しづらい会員限定の情報も週一程度でお伝えしようと思っています。 恥ずかしながらこれまでの自社の体制では『顧客管理』という考え方がまだまだ不十分で、『たくさんの幸之祐包丁を所有するコアファンの方』であっても、最近初めて弊社のことを知った方と同じように対応してしまっていることが多々ありました。 これについても、もしファンクラブに加入して頂ければ、会員さんをリスト化することによって、解決できると考えています。 より詳しい情報を提供することによって、会員さんも一緒に弊社のモノづくりを楽しんで頂けると思います。 またそれを通じて皆さんから頂くフィードバックで、幸之祐チームのメンバーもより大きな喜びを得られ、さらにモノづくりを楽しむことにつながると思います。 会費については、有償にさせて頂くことを検討しています。 というのも、現在各国のお客様から頂くたくさんのお問合せに対して日々対応させて頂いておりますが、そのためには小規模なチームのため担当者が作業の手を止める必要が出てくるなど、これまでも製造に大きな影響が出ていました。 会費が無料だと多くの方々からの加入申請が予想され、これまでと同じように情報を管理できない状態に陥ることが予想されるというのがその理由です。 ここまでお伝えすると、『これまでお世話になった各国の販売店さんとの関係はどうなるのか』という疑問が出てくると思いますが、それについては次回の記事でお伝えしたいと思います。 Regarding how to deal with customers in the future In relation to the previous post on Konosuke’s Instagram, I’m thinking “what can we do to deliver … Read More

転売について (about the resale) 04/15/2024

近年『弊社の包丁を、転売目的で購入されている』と思われる事案が増えております。 弊社としましては、皆さんが通常よりも高い値段で買わざるを得なくなるような状況をなくし、(弊社併設のギャラリーや、弊社の販売店を通じて)本当に弊社の包丁を所有したい方に直接お届けしたいと考えております。 そのため、FMやKAIJUなどの一部製品の販売については、事前登録制とさせて頂くことも検討しておりますので、ご理解のほどよろしくお願いいたします。 In recent years, we have been receiving an increasing number of people purchasing our knives for the purpose of resale. We would like to eliminate the situation where people are forced to buy our knives at a … Read More

●心が動く買い物 (Purchasing that moves your heart)

心が動く買い物 日々モノづくりをする中で、最近では特に『お客さんに製品を買って頂くためには、いかにその人の心を動かすことができるか』という、シンプルですがとても大事なことに気付くことが増えてきました。 昔はモノ消費の時代、今はコト消費の時代に変わった、と言われます。 ただ、よく考えると、家庭内にモノが少なかった頃は、シンプルにモノを買うこと自体が買う人の心を動かし、 モノに溢れた今では、買う人の心を動かすのはモノだけではなくなったということだと思います。 興味の対象が変わっただけで、『人は心が動かされたものに価値を感じて購入する』という意味では何も変わっていないと思います。 もちろん、『人の心を動かす何か』を生み出すのはかなり難しい作業ではありますが、今後も、自分達にしか生み出せない価値とは何かを常に考えながら、モノづくりを続けていきたいと思います。 Purchasing that moves your heart While involving in manufacturing every day, especially recently “In order for a customer to buy a product, it is important to move the customers’ heart.” This is a … Read More

●押し売り (High‐pressure selling)

押し売り モノづくりにおいて一番大切なことは、シンプルに『それを購入することによってお客さんにどれだけ満足して頂けるか』だと思います。 それにまつわるイメージが良ければ良いほど、そのモノ自体が魅力を発し続け、お客さんを『満足させ続ける』ことができるので、積極的な営業活動をしなくとも、また同じ会社のものを買って頂くことにつながると思います。 このことは長い間信じているのですが、最近その逆のことも起こり得ることを実感しました。 数年前、ある商品を店舗で購入したのですが、その際、別の関連商品も一緒に購入することを薦められました。あまりにも積極的に薦めてこられたので、一旦買ってみることにしたのですが、その商品は数回使っただけでその後使わなくなり、自分には必要のないものだったということが分かりました。 その後は引き出しにあるその商品を見る度に『要らないものを買わされた』というネガティブな感情が生まれるようになりました。これ以降、そのお店に買いに行くことはやめ、ネットで必要なものだけを買うことにしました。 それと似た状況で、例えば『買うときには気付かないが、その後すぐに気づくような弱点があるようなモノ』も、今回と同じようなことを生み出すと思います。 『購入者の都合をないがしろにした売り方』や、『ごまかしのモノづくり』は、簡単にお客さんに気付かれます。 今後も僕達は、見えないところにもしっかりと気を配ったモノづくりを続けていきます。 High‐pressure selling I think the most important thing in manufacturing is simply “how satisfied the customer can be by purchasing it”. The better the image associated with the product, the more … Read More

●違和感と働き方 (Discomfort and working environment)

違和感と働き方 20代の頃、大学を卒業してすぐに入社した一般企業で僕は、とても大きな違和感を覚えました。 まず、残業についてです。 営業職で「営業手当」が別途支給されていたのですが、その額は一律であったため 残業が増えても収入が増える訳ではありませんでした。 僕自身、長時間働くとどんどん集中力が落ちてしまうのですが、その会社ではある程度 遅い時間まで会社にいることが当たり前とされていました。 いくら効率を上げてその日の仕事を済ませたとしても、早く帰ることが許されない雰囲気の中では、仕事に対するモチベーションがどんどん下がりました。 次に、休暇についてです。 社内では有給休暇を取得するどころか、「その単語を言葉に発すること」すら許されない雰囲気が蔓延していました。 僕自身、しっかり休んでリフレッシュしないと仕事に力が入らないので、この事もとても不満に感じていました。 「もっと働きやすい環境なら もっと僕は力を出せるのに、なぜそうしないのだろう?」 と感じ、この会社の方針が不思議で仕方ありませんでした。 当時抱いたこの大きな違和感をベースに、今自分の会社では「残業ゼロ」「いつでも有給休暇 取得OK」を実現しています。 その他の働き方改革も進めたことによって「積極的に、従業員のワークライフバランスの実現や 女性も活躍できる職場環境づくり」に取り組む企業として、公的機関にも認めて頂くことができました。 違和感を解消すると、何らかの変化が確実に起きます。 今後も僕は続けていきます。 Discomfort and working environment When I was in my 20s, I joined a general company right after graduating from university, … Read More

●違和感とブランドの立ち上げ (Feeling of discomfort and launching a brand)

違和感とブランドの立ち上げ 僕はこれまで色々と新しいことに取り組んできましたが、それらを始めた時のきっかけを振り返ると「ある共通点」があることに気付きました。 それは『違和感』です。 どんな会社や組織においても、これまでの慣習で当たり前とされてきたことがたくさんあると思いますが、それらの中には大きな違和感を感じるものもあるのではないでしょうか。 僕は違和感を感じたまま放置するのが好きではないので、自分なりに改善を加えてみるということをよくやります。 自分が納得のいくようにまで仕組みを変えてみると、新しい世界が開けることが何度もありました。 一つは、ブランド(商標)についてです。 僕がこの包丁の仕事を始めた2005年頃、地元堺の手作りの包丁の良さを当時のお客さんに伝えようと努力したのですが『そんなことどうでもいいから、とにかく安い包丁を紹介して欲しい』『すぐに納品できる包丁が欲しい』と言われることがほとんどでした。 大量生産、大量消費の時代が終わり、以前ほどモノが売れなくなっていたということもあったと思います。 ただもう一つの大きな理由として、当時は高級な包丁も低価格品も、全て同じ商標で販売されていたことも原因だと感じました。 この売り方に大きな違和感を感じた僕は、 「丁寧に作られた包丁の良さを、本当に分かってくれる人に分かりやすく伝えたい」と思い、幸之祐という新しいブランドを立ち上げました。 そうすれば、これまでのお客さんとは全く違った方々にアプローチできると考えたからです。 Feeling of discomfort and launching a brand I have tried many new things, but when I look back at the reasons why I started them, I realized … Read More

●褒めることと 認めること (praise and approval)

褒めることと 認めること 前回の投稿で、部下の仕事ぶりに対してフィードバックする方法として、『褒める』ではなく『承認』という表現を使いました。 これまで色んなところで、『部下は褒めて育てろ』という言葉を目にしたことのある方も多いかと思います。 『そりゃ誰でも褒められれば嬉しいし、もちろん成長しやすいとは思うけど、今までそんな事やった事もないし、 無理してやったとしても気持ち悪がられるに決まってる。。』と、以前の僕は感じました。 あなたもそうでしょうか? そもそも『褒める』なんてのはハードルが高すぎて、よっぽど表彰式のような状況でないと上手くハマらないのでは?と個人的には思います。 その後、色んな情報に触れるうち、『”承認”でも褒めることと同じような効果があるらしい』ということを知りました。 承認とは『相手の存在や仕事ぶりを認めること』なので、過剰な表現を使う必要がありません。 承認について、自分自身の経験で思い出したことがありました。 社会人1年目で一般企業で働いていた時、上司からある仕事に挑戦することを打診されました。 その際、『他の誰でもなく、君だからこの仕事を任せようと思う』と声を掛けて下さいました。 もちろん当時は新人なので何の実績もない状態だったのですが、これにより『普段の働きぶりを認めてくれたのだ』と強く実感することができ、僕が大きな自身を持つきっかけになりました。 『君の仕事ぶりはすごい!』と褒めた訳ではなく、通常のトーンでさらりと伝えてくれたからこそ、スムーズに受け入れられたのだと思います。 Praise and Approval In my previous post, I used the expression “approval” rather than “praise” as a way to give feedback on the work performance … Read More

●仕事を任せること (Delegating work)

仕事を任せること 他人に仕事を任せることができず、全部自分でやらないと気が済まない人は多いと思います。 僕もごく最近までこの状態に陥っていました。 ただここ最近では、自分自身と環境の変化に後押しされる形で、ようやく仕事を少しずつ任せられるようになり、それによる利点を感じることも増えてきました。 40代も半ばを過ぎると、若い頃に比べて一つのことを突き詰める集中力が落ちてきます。 また、事業を新たな領域に進めたいと思っても、自分ひとりの力だけでは限界を感じることも増え、少しずつ任せられるようになってきました。 もちろん『誰にどんな案件を任せるか』が一番重要ですが、それがうまくいくと色んなメリットがあります。 自分が得意な仕事だったとしても、自分よりも得意な部下がいれば、当然その人に任せた方がよりよい結果を生みます。 また、複数人にそれぞれの案件を任せると、それらが同時進行で進むので、自分一人で全てを進める時よりも断然スピード感が出ます。 さらに個人的に一番効果を感じたのは『承認によるモチベーションアップ』です。 自分一人で仕事を抱えている場合、承認やフィードバックを得られるのは基本的には顧客からだけです。 その場合、商品として世に出ない限りはそれを得られることはありませんし、またさほどヒットしなかった場合は、ほとんどフィードバックが得られないこともあると思います。 この状態が長く続くと、ある時『何のために仕事をしているのかが分からない』 というような、孤独な状態に陥ってしまいます。実際に僕がそのような状態でした。 部下に仕事を任せた場合、進捗を確認した時などには自分がいつでも承認できるため、身近なところでその人のやりがいを作り出すことができます。 さらに、その人が作り出したものが商品化される前でも、あるいは商品が売れなかったとしても、良いと思った箇所を見つけてピンポイントで承認できるというところが、手軽にやりがいを作り出せるポイントです。 Delegating work I think there are many people who can’t delegate work to others and want to do everything themselves. I was also in … Read More

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